医療保険は必要ない! その理由と根拠

最近、よく医療保険についてテレビや雑誌で取り上げられることが多くなってきました。

  • 医療保険は必要ない!
  • 保険会社が儲かるだけだ!
  • がん保険だけで十分だ!

という意見も多く聞こえてくるようになりましたが、本当にそうなのでしょうか?

医療保険はあなたの生活スタイルによってその必要性が変わってきます。また、医療保険はたくさん種類があるので「一概に必要ない!」とは言い切れません。

保険会社勤務歴8年以の経験を活かし、この記事では、できるだけ客観的に医療保険の役割についてお伝えします。

医療保険は必要ない!と言われる5つの理由

会議

医療保険は必要ない!と言われる理由は主に2つあります。

  1. 公的保険制度の存在
  2. 商品の問題

公的保険制度の存在

健康保険の保障の一部に高額療養費と呼ばれる制度があります。

高額療養費制度とは、医療機関や薬局の窓口で支払った額が、ひと月(月の初め から終わりまで)で上限額を超えた場合に、その超えた金額を支給する制度です。

高額療養費制度

年収や年齢により上限が変わりますが、自己負担は大体9万円になります。

高額療養費制度の自己負担割合

そのため、どれだけ高額な治療を受けたとしてもこの制度を利用すれば支払いは月9万円で済みます。治療が3ヶ月続いたとしても27万円です。更に、4ヶ月目からは約4万円に値下がりします。

高額療養費制度

2019年4月現在

しかし、万が一の時に備えて加入する医療保険の保険料が月5,000円の場合、40年間支払い続けると合計金額は240万円です。何もなければ1円も戻って来ません。

そのため、医療保険に加入せず、健康保険の制度を活用しながら、保険料を貯蓄に回すべきだ!と考える方が多いのです。

長期入院が少なくなってきた

怪我

1984年から2014年までの平均入院日数を厚生労働省のデータから分析しました。

長期入院が少なくなってきた

この30年間で、平均入院日数は45日から33日に変わってきており、なんと12日も短くなっています。

しかし、驚くべきことに医療保険の主な保障内容はここ30年間変わっていません。1日入院で5,000円や1万円など入院日数に応じた金額を支払う、定額支払いタイプが現在も主流です。

長期入院が多かった昔は、従来の医療保険でも良かったのですが、入院の短期化に伴い、契約者が1回の入院で受け取る金額は平均で60%も少なくなったため、商品の大幅な見直しが叫ばれているのです。

長期入院に備えられない医療保険

医療保険は1回の入院日数の上限が決まっているタイプが大半です。現在の主流は60日タイプですが、120日タイプや180日タイプもあります。

平均入院日数が短くなってきているので、60日タイプでも問題ないように感じますが、どの保険会社も独自ルールで医療保険に180日ルールを設けています。
180日ルール

180日ルールとは、同じ病気で180日以内に再入院した場合は、1入院の限度日数にカウントするルールです。たとえば、あなたが同じ病気で複数回入院した場合、60日タイプと180日タイプの医療保険の違いは以下の通りです。

医療保険 180日ルール

短期入院を繰り返すと、60日の枠を使い切ってしまう可能性があり、現在の主流タイプでは長期入院のリスクを守れない!短期入院は健康保険で十分だ!だから医療保険は必要ない!と考える方が多いのです。

この辺りの詳しい話は、プロから直接聞いて下さい。

生涯治療費の実態

こちらは、厚生労働省が作成している日本人の生涯医療費のデータです。

生涯医療費

私たちは一生涯で2,700万円を支払います。(20〜69歳までは1,072万円。70歳以降に1,349万円)

自己負担分は20~69歳までを3割負担、70歳以上を1割負担とするとそれぞれ321万円、134万円となります。

つまり、20〜69歳までにかかる医療費は321万円。1年の平均治療費は6.5万となります。70歳以降も1年の平均治療費は6.7万円と非常に安いです。(90歳まで生きると前提)

貯蓄があれば医療保険は不要であり、月5,000円の保険料であれば、医療保険に加入せず貯金した方が効率的だと考えることもできるのです。

世界最強の保険、健康保険が整備されてる日本だからこそ、医療保険は不要だと考える人が多いのですね。

インフレリスクに対応できない

ほとんどの医療保険は保険料が一生変わらず、定額で給付金が支払われるタイプです。この場合、インフレリスクには対応できないと言われています。

例えば、インフレが発生し、円の価値が下がった時、1泊5,000円で病院に宿泊できていたところが10,000円必要になるケースは容易に想像できます。

または、医療技術の進歩により従来よりも治療費が上がる可能性もあります。しかし、現状の定額支払いタイプでは実態とズレが生じるため、保険会社は新しく医療保険を開発し直すでしょう。

そして、新商品を発売したとき、定期更新タイプの医療保険に加入している人は乗り換え安いですが、保険期間が終身タイプの医療保険に加入していた人は、余分な保険料を支払ったことになります。

医療保険不要論者の中には、終身保険は絶対に必要ない! 医療技術の進歩を前提に考えるのであれば、保険料がより安い定期更新タイプだ!という方も多いのが実態です。

以上が医療保険は必要ない!と言われる5つの理由でした。この不要論に反対する意見も多くあります。次は、医療保険は必要だ!と考える人たちの意見を紹介します。

医療保険は必要だ!と言われる5つの理由

高額療養費制度

医療保険が必要ない!と言う人たちは、ほぼ全員が高額療養費制度が存在することを前提に持論を展開しています。

しかし、国民医療費は社会全体を圧迫しています。1998年に約30兆円だった医療費は2013年には約40兆円に膨らんでおり、そのスピードは更に加速しています。

急に健康保険が無くなる可能性は低いですが、このままではどれだけ税収を上げても追いつきません。その為、自己負担の割合が3割から4割に変わったり、70歳以降も1割から3割負担へ変更になる可能性は十分あり得ます。

また、病院の経営の観点からも、入院費用が今後上昇する可能性もあることから、万が一入院した際には、高額な治療費が請求されることもあるかもしれません。

そう考えると、定期更新タイプの医療保険であれば、加入しておいても損は無いように感じますが、如何でしょうか?

おすすめ図書

働けない時はどうすればいい?

確かに怪我や病気で病院に入院すると、従来通り働くことができません。しかし、その分の費用を医療保険から充当する考えは本末転倒です。

医療保険は治療費をカバーする保険です。あなたの給料を補填することが本来の目的ではありません。働けなくなった時の保険は海外では非常に認知度が高く、日本でも扱う保険会社が多くなってきています。

もし不安になる方は、一旦医療保険と切り離し、働けなくなった時の保険の相談をプロにしてください。

 

先進医療の手術を受けたい

厚生労働省は先進医療を受けた患者の数を公表しています。毎年3万人前後です。

先進医療 人数

そして、上位4手術で全体の90%を占めています。(手術名/年間件数/平均費用)

  1. 多少点眼内レンズ/14,433件 /58万円
  2. 前眼部三次元画像解析/11,595件 /3千円
  3. 陽子線治療/2,319件/270万円
  4. 重粒子線治療 /1,558件/310万円

先進医療 種類

多少点眼内レンズは、白内障を治療する際に適用される手術ですが、そのために医療保険に加入するのは本末転倒であることを理解してましょう。

三大疾病にかかったときは?

三大疾病とは以下の病気のことをいいます。

  • がん(悪性新生物)
  • 急性心筋梗塞
  • 脳卒中

三大疾病は日本人の死因の約55%を占めており、平均入院日数もその他病気に比べると長い傾向があります。平均入院日数

また、退院後も、通院治療を行うケースが非常多く、治療費だけでなく、仕事に支障が生じ、収入が減るケースも多いです。

3大疾病の現状

三大疾病に罹患すると、治療期間が長期化する傾向が強いため、現行の高額療養費制度でもカバーできないため、医療保険が必要だ!という方も多いです。

しかし、最近ではこの三大疾病に特化した保険も登場してきています。一般の病気や怪我は保障外で、対象が三大疾病に限定されているため、保険料も格安です。

一般の病気は入院の短期化が進み、本当にお金に困るのは三大疾病で治療が長期化することなので、この保険は非常に理に叶っています。

まとめ

公的保険制度や医療保険は日々変わっていきます。

ですので、その都度内容を見直すことができる定期更新タイプの医療保険、または三大疾病に特化した保険が合理的であると言うのが私の考えです。

医療保険はたくさん種類があり、医療保険はあなたの生活スタイルによって、その必要性が変わるので、気になることがあれば、担当者に相談して下さいね!

参考サイト:

厚生労働省

厚生労働省 平成26年患者調査の概況

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